人を動かす心理学

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〇〇をしたら人は△△と思うという心理的な直感について学びたかったため、「影響力の武器」を読んだ。
世の中に溢れている様々な心理テクニックが紹介されている。

コントラストの原理

全く同じものでも、その前に起こった出来事次第で全く違う感じ方になる原理。

紳士服売り場の例

店員はまずはスーツを買わせようとするが、スーツは値段が高いので二の足を踏む。
その後にセーターを案内すると、それほど高くないように感じる。
シャツ、靴、ベルトなども同様の原理が当てはまる。

物件紹介の例

ひどい家をいくつか見せた後に、まぁまぁ良い家を紹介すると立派に見える。

返報性

親切を受けると、お返しをせずにはいられない気持ちになる原理。
すべての人間社会に広く浸透しているルール。
借りがある人は、その相手への好意に関係なくお返しをする。

セールス勧誘員が要求を出す前にちょっとした親切をするだけで、要求が通る確率はぐっと上がる。
無料の試供品は製品の良さを知ってもらえるかつ、返報性のルールに持ち込めるという点で有能。
スーパーの試食品も同じ。

なぜお返しをしてしまうのか?
→ 親切を受けるばかりで、それに対してお返しをしようとしない人は、社会集団のメンバーから嫌われてしまうから。

心の中の不快感と外分が悪くなる危険性から、心理的負担が生まれる。

譲り合い

譲歩してくれた相手に対して譲歩を返す義務が生じる。
〇〇を断ってしまった代わりに△△くらいはしてあげなくてはという心理。

例)
チケットを買ってくれないか?(断られたら)じゃあチョコバーはいかが?

拒否させた後に譲歩するというのは非常に効果的なテクニック
譲歩的要請法(ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック)

大きな頼み事を先にしてから、小さな頼み事に引き下げた方が、小さな頼み事単体でお願いするよりも確率が高まる。

奇妙な話ですが、「拒否したら譲歩」法を使うと、相手はこちらの要求を飲むばかりか、実際にそれを実行し、さらなる要求にも嫌がらずに応じようと考えるのです。


合意を取りまとめた責任感と満足感により、相手はむしろプラスに捉えていることが多い。

コミットメントと一貫性

ひとたび決定を下したり、ある立場を宣言すると、自分の内からも外からもそのコミットメントと一貫した行動を取るように圧力がかかる。

例)
電話でボランティアに参加してくれないか?と連絡をする。
冷たい人間だと思われたくないので、引き受けると答える。
一度言葉にしてしまうと、実際にそうしないといけない心理が働く。
→ 結果、事前に電話で連絡することで参加率は8倍になったそう

最初に小さな要求を飲ませ、それから関連するもっと大きな要求を通すやり方
→ 段階的要請法(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)

重要なのは、望ましい行動をとらせるのと同時に、その行動を自分が進んでとったのだと感じさせられるような理由を用いること。
→ 承認先取り法(ローボール・テクニック)

例)
最初に安い値段を提示して取引に乗せて、お客さんに選択をさせる。
販売員を一度信用すると、後から値段が釣り上がっても、自分が決めたことだからと承認してしまう。

社会的証明の原理

特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断する。

例)
店にまだ客を入れる余地がかなりあるのに入場制限をして、外に長い行列を作らせる。

たまに見かける・・・

自分で何を買うか決められる人は全体のわずか5%しかおらず、残りの95%は他人のやり方を真似する人たちである。
どう振る舞えばいいのかを考える時、一番参考になるのは自分と類似した他者の行動である。

好意

人は自分が好意を感じている知人に対してイエスと言う傾向がある。

客が品物を好きだと言ったら、その品物について同じように詳しく知りたいと思っている友人を紹介してもらう。
「〇〇さんからあなたを訪問するよう言われてきた」と告げることで、セールスマンを追い返すのは難しくなる。

同郷の出身のセールスマンなど、馴染みがあるものには好意を抱く。

よくある友達紹介キャンペーンもこの原理を利用したものだろう。

権威

人は権威に弱い。
専門家(医師、裁判官、教授、etc...)の言うことをなんでも鵜呑みにしてしまう。
無意識的に専門性を判断する材料として肩書きや服装を利用している。

ミルグラムの実験

学習者が間違えるたびに教師が学習者に対して、より強い電圧を流す実験。
実は学習者側は役者で電流はブラフ。

学習者が痛みで暴れ回って、「これ以上は死んでしまう!やめてくれ!」と懇願するのに対し、教師側はどこまで実験を続けられるのかのテスト。
→ 結果、どんなに暴れ回られても大半の人は最後まで教師の仕事を全うした。

なぜ途中で実験をやめなかったのか?
→ 実は教師の後ろにはボス(実験服を着た研究者)がいた。

実は教師は皆「実験をやめさせてくれ、解放してあげてくれ」と懇願していた。
しかしそれを研究者が拒否し続けていた。
研究者に逆らって、実験を中止する人はほぼいなかった。

人は権威者の命令にはとにかく従おうとするということが、この研究の主たる知見。

希少性の原理

手に入りにくくなるとその機会がより貴重なものに思えてくる原理。

例1)
家電量販店の特売。
今買わないとチャンスを逃してしまうと思い込んでしまう。
(実は常に特売していることもある)

例2)
プレゼンテーションの実験。

1: 標準的な販売プレゼン
2: 1に加え、この先数ヶ月は輸入の供給が減りそうだという情報を伝えた
3: 2に加え、この情報は独自で入手した独占的な情報であると伝えた

→ 結果、2の営業を受けた人は1の2倍、3の営業を受けた人たちは1の6倍の注文をした

まとめ

スタジオ〇〇〇などで、節目のタイミングで何度か子どもの写真撮影をしに行ったことがある。
シンプルなA4写真でもそこそこ高価なのだが、データでの提供はウン万円(跳ね上がる)で、かつ今買わないとこのデータは破棄されるという内容だった。

今しか手に入らないという「希少性」の罠にかかり、買ってしまうパターンを何度かやってしまっている。(まぁ良いんだけど)

また、サービスやプロダクトは口コミで広まっていくことも多いが、「好意」と「権威(専門性)」がある人の発信ほど口コミは広がっていくのだろうなと思った。
いわゆるインフルエンサーマーケティングはこの類のものであろう。

「購入者の95%が満足しています」「売上No.1」などを掲げることは「社会的証明の原理」を利用している。
皆が使っているなら安心できるという心理。
レビューランキングもこれを助長している。

思い返してみると世の中のあらゆる箇所でこれらの原理が活用されている。
参考にしたい。

柴田 和祈 Twitter GitHub
株式会社microCMS 共同創業者兼COO / デザイナー兼フロントエンドエンジニア / ex Yahoo / 2児の父 / 著書「React入門 React・Reduxの導入からサーバサイドレンダリングによるUXの向上まで 」

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