直感は大事だが、言語化しなくてはならない

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自分は直感には自信がある方だ。
直感と決断力はセットで、ピンと来たタイミングでその道を選ぶことができるかが重要だと思っている。

事業をやっていると答えのない課題がどんどん出てくる。
ただ何となくこれをすると良さそう、これはダメそうという感覚はあまり外さない気がしている。
しかし、根拠のない勘では誰も説得できないので表題について考えてみたいと思う。

そもそも直感とは

将棋はまさに直感が大事な世界だということは容易に想像できる。あらゆる盤面で約80通りの選択肢があり、常に選択を迫られる。
棋士の羽生善治さんは著書「直感力」で次のように述べている。

直感は、ほんの一瞬、一秒にも満たないような短い時間の中での取捨選択だとしても、なぜそれを選んでいるのか、きちんと説明することができるものだ。適当、やみくもに選んだものではなく、やはり自分自身が今まで築いてきたものの中から生まれてくるものだ。


直感は自分の経験から培われるもので、根拠は必ず自分の中にあるということだ。
つまり言語化は可能だと言える。

サービス提供において直感と密接に関わってくるのが、「一般的な感覚を有しているかどうか」だと思う。
一般的な感覚というより平均的な感覚と言った方が正しいかもしれない。

自分の場合、ユーザーがどういう思考回路を辿るかというのを予想し、施策を立てることが多い。
ユーザーといかに同じ気持ちになれるかというところを意識している。

学生時代、塾講師のアルバイトを6年間やっていた。
その中で感じた教え方が上手い人 / 下手な人の違いは、相手の感覚をどこまで理解・共感できているかということだ。
東大出身でいくら頭が良い人でも、相手の感覚が分かっていないと上手に教えることはできない。
頭が良い人ほど、自分にとって簡単なことが相手にとっては簡単ではないケースがほとんどだ。
相手のレベルに思考を合わせてあげることが大事で、そうすると、「あ、ここで引っかかりそうだな」というポイントが見えてくる。

他者の経験を取り入れるということ

判断材料として自分の経験が第一に必要だが、書籍を通じて他者の経験を取り入れることもできる。
しかし、羽生さんは次のようにも述べている。

近視眼的な成果にばかり目を奪われ、あるいはデータに頼って情報収集に終始することではおそらく足りない。それらに対する意識は不要とまではいわないし、またそれらはたいてい気付かぬうちに判断材料に入ってしまいがちなものである。しかし、であるからこそ意図的にそれらをセーブしなければならない。


情報収集は大事だが、無条件に取り込んでいくと誤った判断軸ができてしまう可能性があるということだ。
インプットした情報はしっかり自分の眼で見定めてから引き出しに入れることが大事だと解釈した。

書籍は読むだけで達成感があるが、そこで満足してはならないと思っている。
読了後はその内容について自分自身や事業と照らし合わせる。
そして最終的にブログ等で公にアウトプットすることで、インプットした情報をより純度の高いものとして取り入れることができるのではないかと思い、最近はそのフローを試してみている。

言語化を行う

直感は自分の経験に基づくものなので、時間をかければ言語化は可能なはずだ。
もちろん将棋など時間制限のある場では直感の根拠について深堀る時間はあまりないが、事業においては考える時間はたっぷりある。
直感を直感として終わらせずに、「なぜそう感じたのか」についてちゃんと考えて言語化することが大事だ。
別問題として、そもそも言語化という作業が難しいので、ブログで考えを発信する訓練をしたいと思っている。

また、自分の考えや想像だけでは説得力が足りないので、書籍の引用と共に発信していくスタイルで当分やってみる。
インプットが増える、アウトプットが増える、自己・事業に活かせるの一石三鳥で今のところ良い感じだ。

柴田 和祈 Twitter GitHub
株式会社microCMS 共同創業者兼COO / デザイナー兼フロントエンドエンジニア / ex Yahoo / 2児の父 / 著書「React入門 React・Reduxの導入からサーバサイドレンダリングによるUXの向上まで 」

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