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安全側に倒すことについての是非

  • 組織

はじめに

まず大前提として、「安全側に倒す」ことはとても大切だと考えています。ただ、その一方で、本当にそれだけでいいのか?という視点でも少し考えてみたいと思います。

安全側に倒すことの良さ

安全側に倒すことでリスクを最小限に抑えられるし、ブランドイメージを守れる。長期的な信頼にもつながるので、特に組織が大きくなるほど重要性は増していきます。

とはいえ、「安全=絶対正義」みたいに無意識で進めてしまうと、それもまた問題です。

進まなくなるリスク

何でもかんでも安全優先にしてしまうと、どうしても決断が遅くなります。新しいチャレンジをしようにも、「リスクチェックは?法務確認は?取引先の調査は?」と確認事項が増え、気づいたら1ヶ月以上経っていた、なんてことも珍しくありません。

スタートアップと大企業の違いって、こういうところに現れやすいですよね。スタートアップは多少リスクを取ってでもスピードを優先する。大企業はリスクを恐れて慎重になり、動きが鈍くなる。

大企業あるある

企業規模が大きくなってくると、どうしてもステークホルダーが増えます。上場企業の場合は株主が大勢に増えて、リスクに対する感度はさらに高まります。

そして、そのリスクを回避するためにさまざまな作業が発生し、いつの間にか多くの人が「安全側に倒すための仕事」に追われるようになります。

それ自体は必要なことだけれど、そこに思考停止が入り込むと危険です。安全な選択をすることは実は楽です。考える必要がないから。

でもそれを繰り返していると、気づいたら何も前に進めない組織になってしまうかもしれません。

おわりに

安全側に倒すことは大事。ただし、「なぜその判断をするのか?」を常に問い続ける意識がないと、ただの思考停止になってしまいます。

どのリスクは受け入れて、どこまでは確実に守るのか。そのバランスを意識して選び取っていくこと。それが、スタートアップであっても大企業であっても、本当の意味での成長に繋がると思っています。

柴田 和祈 X GitHub
株式会社microCMS 共同創業者 / デザイナー兼フロントエンドエンジニア / ex Yahoo / 2児の父 / 著書『Next.js+ヘッドレスCMSではじめる! かんたんモダンWebサイト制作入門 高速で、安全で、運用しやすいサイトのつくりかた』

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