良い戦略の立て方
社内で経営に関する勉強をちゃんとしようということで輪読会が始まったのでこちらにもメモ。
良い戦略
- 単純かつ明快である
- 直面する難局から目をそらさず、それを乗り越えるためのアプローチを提示する
- とるべき行動の指針がすでに含まれている
- 相手の最も弱いところにこちらの最大の強みをぶつける
- 「何をするか」と同じぐらい「何をしないか」が重要
- 診断→基本方針→行動
- 手の届く距離にあって十分に実現可能
- フォーカス
- 変化のうねりに乗る
悪い戦略
- 厄介な問題を見ないで済ませ、選択と集中を無視し、相反する要求や利害を力ずくでまとめようとする
- 目標、努力、ビジョン、価値観といった曖昧な言葉を使い、明確な方向を示さない
- 戦略構想を語っているように見えるが内容がない
- 目標を戦略と取り違えている(「毎年20%成長する」を戦略としている等)
- そもそも達成不可能
鎖構造
- どこかに弱い箇所がある場合、他を強化しても鎖全体は強くならない。
- 企業や経済は、少なくとも部分的には鎖のようにつながった構造になっている。
- このような構造で、一つひとつの単位(=環)が個別に運営されていると、システム(=鎖)全体は十分な機能を発揮できず、「質的不整合」の問題が発生する。
- つまり、ある単位の責任者が改善に投資したいと考えても、他の単位の責任者がそうしない限り、システム全体としては意味をなさない。
- 鎖構造問題で重要なのは、ボトルネックを特定すること。
- 一番脆いところから順に解決していく。
- 短期的な損失は覚悟で将来に投資する覚悟を決める。
- 強力なリーダーシップにより巧みに鎖構造を作り上げてしまえば、容易にはまねできなくなる。
IKEAの例:
- さまざまなプロセスの効率的な組み合わせがIKEAの戦略
- どれを取っても異色な方針で鎖構造となっているので、他社がどこか一箇所を真似しても効果が得られない
- すべてを真似するのはコストがかかりすぎる
- いまだに第二のIKEAは現れていない
優位性
競争優位の基本的な定義
- 競争相手より低いコストで生産できる
- 競争相手より高い価値を提供できる
- あるいはその両方
価値を高める4つの戦略
- 競争優位を深める。
- 競争優位を拡げる。
- 優位な製品またはサービスに対する需要を増やす。
- 競争相手による模倣を阻むような隔離メカニズムを強化する。
高地を得る方法
未踏の高地を手に入れる一つの方法は、自前のイノベーションによって作り出してしまうことである。
- 驚異的な技術革新、あるいは画期的なビジネスモデルは新しい高地を作り出す。
- そして競争相手が押し寄せてくるまでは、何年も富み栄えることができるだろう。
変化のうねりに乗る
大きなうねりは地震のようなもので、新たな高地を作り出したり、高地だったところを平らにならしてしまったりする。
そうした変化のダイナミクスは既存の競争環境を覆し、かつての競争優位を消し去り、新たな優位を生み出す。
これまで成功していた企業の立場をさらに強くすることもあるが、衰退に追いやることもある。
このような変化のうねりが押し寄せるとき、まったく新しい戦略が可能になる。
うねりが起きるヒント
- 固定費の増加
- 規制緩和(法律など)
- 将来予想におけるバイアス
- 既存企業の対応
- 収束状態